12歳になったら…

今日、後輩である損害保険事務所の社長と話をしていて、あることに気づかされました。

12歳になったら、損害賠償責任が本人に発生すると考えたほうが良い

という事です。

「未成年者の損害賠償責任
小学校高学年(11〜12 歳)以下の者であれば、事理を弁識する能力のない者(責任無能力者)として、未成年者の監督義務者である親に損害賠償責任が生じます。(民法第714 条)
逆に未成年者に責任能力が認められると、未成年者自身に賠償責任が課せられます。
未成年者に対する責任能力の分岐点は、判例では11 歳前後から14 歳前後までと幅がありますが、だいたい12 歳あたりが分岐点の目安となっているようです。」

http://www.tou-an-kyo.or.jp/soudanjirei/5_list_detail.html外部リンク
これは東京交通安全協会のHPからコピペしたものですが、今日の話もこれと同様のものでした。

よく少年非行や犯罪について「少年法」の考えや「子供だからしょうがない、まあ大目に…」などの議論があるのですが、これが全くの「誤解」に基づいていることがよくわかります。

社会が「罪を問う」「反省を求める」という事がいったいどういったことなのか…処罰なのか教育なのか…まあいろいろな側面があるのですが、少年法では「罪を問わない」というものではありません。
ましてや「未成年であるからしょうがない」などという事は一切書かれていません。

「この法律は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする。」
少年法第1章「総則」1条≪この法律の目的≫)

これは刑法に触法した少年(満20歳未満)に対する「取扱い」を規定しているものです。
まあ、これで「刑事的責任」というものはとらなければならないのだが、上述のように「性格の矯正・環境の調整」に配慮して取り扱う…と言っても良いでしょう。

問題は民事上の責任です。

これは一概に「12歳であればその責任を問われる」のではありません。まさにケースバイケースなのですが、判決の傾向がそうである…という事です。

これで私が一番思いますのが、

学校などで、同級生を殴ったり、消しゴムをとったり、器物を破壊したり…とまあ「たいしたこと」ではない場合もあるのですが…極論すればこれらもすべて「民事責任を負う」、中学生にもなればそうい可能性もあるという事を、子供自身に認識させる必要です。

「ごめんなさい」で済む場合ばかりではない…という事です。

更生しなければいけないし、更生することで信用は取り戻す?社会が受け入れる?という事はしますが、損害を与えたことについては、あなた自身が責任をとらなければなりませんよ

という事でありましょうか。

「子供だから許される」

この表現はとても「危険」な表現です。
更生の可能性も含まれていますが、その代わり保護者の監督・教育責任も問われます。
また12歳前後で、刑事責任に関しては配慮されたとしても、民事責任は負わなければいけない…

なによりも「被害者」のもつ悲しみや憎しみを受け止めなければいけない事は、未成年者であろうがなかろうが、変わらない場合がほとんどです。

「子供だからと言ってすべてを許されるわけではない」
12歳になるまでに教えなければならない事です。