0.31÷0.2=1.55という式になる文章題をあなたは作れますか?

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120919-OYT1T01570.htm
読売新聞web9月20日

文部科学省国立教育政策研究所が、全国学力テスト4回分の傾向を分析した結果、小学6年生の半数近くが、小5までに学ぶ「小数のかけ算・割り算」の意味を理解していないとみられることが分かった。」


まさに論理力の欠如と言えそうです。

まあ、子供に限らず世の中に「算数・数学嫌い・苦手」と言う人はすくなからずいます。

私はそのような人の論理力やその人がおそらく「感情的な人間」と偏見を交えて、まずは警戒してしまいます(苦笑)

この報道で言われる「少数の掛け算割り算の意味が解らない」というのは実は、」少数になって初めてわからなくなるのではなく、実は整数での掛け算や割り算の意味が解らない(あやふやである9ということが原因となっているものがほとんどです。

「一皿に2こずつリンゴが乗っています。そのお皿が3皿ありますリンゴは全部でいくつありますか?」
これを式に表せば

2×3=6 となり答えは「6個」となるわけです。


2+2+2=6でも全く問題はないのですが、「掛け算は足し算より便利」と言う「理解」をする場合がほとんどです。教師もそう教えます。

また「掛け算は量が多くなるんだなあ…」というイメージを持つ場合がほとんどです。

それでは
「0,7×0.3=0.21」と式化できる(それが答えとなる)文章問題を皆さんは作ることができるでしょうか?

おそらく簡単ではないでしょう。

ここで先の「掛け算は量が大きくなるんだなあ」とか「足し算するより掛け算のほうがべんりだなあ」という考えが決して全てには当てはまらない…すなわち掛け算の本質的意味ではなかったという事に気が付きます。

たとえば上記の式になる「文章題」としてこうしてみるとどうでしょうか…

「縦0.7m、横0.3mの長方形があります、この面積は?」
「時速0,7㎞の速さで、0.3時間歩くと何キロメートルすすめるでしょうか?」

ぜんぜん「増えない」のであります(苦笑)

先の例の面積でいえば面積を数値で表すという事がもはや高度な抽象概念であり、いわば「便宜的」なものであることに気が付きます。

また後の例では、掛け算が「単位当たりの量×単位数」である(先のリンゴに例もそうであるのですが)という事がわかるはずです。

すなわち小学2年生後半から学ぶ掛け算では、「安易な理解」をしているわけで、少数の掛け算(特に小数をかける場合)を学ぶ際には高次の理解をしなければならないという事です。

これは論理性の発達に応じてなされる、いわば「手続きをふんだ」教え方をせざるを得ないということからおこる課題です。

言い換えれば、初期に理解した内容をいったん批判し、その上に高度な理論や概念を載せていく…そういう作業を強いる事が教える側に要求されているということでしょうか。

さて

「0.31÷0.2=1.55」となる文章問題をあなたはつくることができますか?

面積・速さ以外の内容で作ってみてください。なかなか難しいですよ。